🏃走れメロス・2020〜おうちで読む太宰治の熱血作品

 ✋事前に意向も尋ねずに、かなり横暴なハナシだとは思いますが、「3日後に帰ってくる」という王との約束を果たせなかった時の”死刑罪の身代わりの人質”として、自分の”親友”を差しだすという設定でこの物語は動いていきます。妹の結婚式に出るために故郷に戻り、妹の結婚を見とどけて王の前に戻るためにメロスは走る、走る。この物語の起承転結は、「①メロス、王に激怒、②妹の結婚式、③戻るために走れ、メロス!④親友との約束を守ってメロス到着」ざっと、こんなふうになっていますね。

📖”メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した・・・”で始まる「走れメロス」は、小学校4年生の当時の情操教育「道徳」の授業で取り上げられ、自分としてはスゴく好きな話だったのに、担任先生の意向によって読むだけで終わらされてしまったのが、とても残念に思えてストーリーや当時のエモーションなんかを鮮明に覚えていたのでした。🍀この話の作者が太宰治だということは、後で知りました。👅

🏃・・・メロスは親友との美しい信頼関係を守るために走って走って、いくつもの難局を乗り越えて到着していました。👀王もそれを目の当たりにし、「おまえらの望みは叶かなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。”信じあう心”とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。」と言わしめたのでした。・・・濃厚接触が回避されるコロナの次の世の中にも、長い間語り継がれてきた”友との信情”は決して無くなることのないものだと思います👍

✋実際のところ、懇意にしていた熱海の旅館に作家・太宰治が入り浸って、いつまでも戻らないので、妻が「きっと良くない生活をしているのでは・・・」と心配し、太宰の友人である檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と依頼した話は、この作品「走れメロス」を書く前の伏線になっているのではないかと、いわれています。というのも、檀に宿の人質(宿賃のかたに身代わりになって宿にとどまること)となって待っていてくれと説得し、東京にいる井伏鱒二のところに太宰は借金をしに行ってしまうのでした。井伏に、借金の申し出のタイミングがつかめずにいて、それを知って激怒しかけた檀に太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言ったといいます。このときの辛い心情を、✒️熱き「走れメロス」に込めたのですね。

👏この最後のフレーズは、私が子供ながらに鮮明に覚えています😡〜〜📖「ひとりの少女が、緋ひのマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。『メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。』勇者は、ひどく赤面した。これが、この作品の粋(イキ)なオチになっています。

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