チームメイトとのタイトな絆を重んずる水球アスリートの世界において、ムーミン童話に出てくる、”放浪と孤独を愛することで有名なスナフキンのようなキャラクタ−”は存在するのだろうか?「個」を重んずる
ドイツあたりのチームにはいそうな気がするが
そう思ったのは、ムーミン谷の仲間たちは皆ひとりの時間を大切にしていて、人との距離の取り方も上手い。言い換えれば、生きる上でのマナーができている。水球アスリートの生活の中で必要だと思ったからだ。
中でも、ムーミンの親友スナフキンは、バイプレーヤーなのに、”孤独の達人”としてとても人気が高い
。自由と孤独を愛し、ひとりきりの時間が無いとダメになってしまう、という突出したキャラクタ−である。スナフキンは差し出がましいことは一切言わないが、頭のキレる知的な人物として描かれている。ムーミン村にいる時には、人からよく相談されるし、人ともきちんと関わる。そう、礼儀正しい、開かれた孤独の実践者なのである
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンによれば、スナフキンは、哲学者で詩人で政治家だった彼女の恋人
がモデルだそうだ(初耳っ!
)それでこんなに魅力的に描かれているんだね。納得でございます!
スナフキンは、毎年春になるとムーミンに会いにムーミン谷に帰り、秋になると南へ旅立つのを習慣にしている。一方、ムーミンはそんなスナフキンを崇拝さえしているし、本心ではずっと一緒にいたいと思っているくらいの仲良しだが、ムーミンはスナフキンの本質を良く理解し、決して彼の自由を束縛しない。
旅に出ては戻ってくるスナフキンを、ムーミンは何度でも温かく迎えるのである。・・・距離が近いだけではなく、こんなチームメイトとの結びつきも、競技生活の中で考えてみるべきではないか?!