”努力は必ず報われるわけじゃない”〜📖「風の歌を聴け」村上春樹著より

村上春樹のデヴュー作『風の歌を聴け』の中で、友達”鼠”が語った、こんな話がある。🌴太平洋のド真ん中、遭難した👨男が🌙月夜の晩に、浮き輪をつかんで漂流していた。そこへ遠くから同じく漂流して浮き輪をつかんだ👩女が泳ぎながら近づいてきた。彼らは海に浮かんだまんま、並んで🍺ビールを飲みながら、あれこれおしゃべりをする。

👄趣味だとか、寝た女の数だとか、昨日見た夢の話だとか。夜通し話し続けたのち、朝になって女は当てもない島を目指して泳ぎ始め、男はそのまま、そこでビールを飲み続けた。「でも、島は無いかもしれない。それよりここに浮かんでビールでも飲んでいればきっと✈️飛行機が救助に来てくれる。女は2日と2晩泳ぎ続けてどこかの島にたどり着き、男は二日酔いのまま飛行機に救助される。

数年後、このふたりが小さなバーで偶然めぐり合う。女はたいそう困惑した。自分は腕がもぎ取れるぐらい必死に泳いで助かったのに、その場で二日酔いになるまでビールを飲んで居残っただけの男もまた、助かったからだ。「私が間違っていて、あなたが正しいのかもしれないって何度も思ったわ。わたしがこんなに苦しい思いをしているのに、なぜあなたは何もせず海の上にじっと浮かんでいるんだろう、ってね。」

🏊女は泳ぎながら「男が死ねばいいのに」と思っていたと告白する。しかし、男は生き延びた。必死に泳いだ女と同じく🙌・・・”努力したって、必ず報われるわけじゃない”ということか。たとえば、数えきれないほどのオーディションの末にデビューする俳優もいれば、友人のオーディションに付いていったことがきっかけでデビューしてしまう人もいる😳「必死に努力したからといって、必ずしも見返りがあるとは限らない」「必死にやらなかったからといって、見返りがないわけでもない」〜じつに、人生とは皮肉なもの😎なのだと思う👍

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